子供の勉強習慣を定着するために、またテスト勉強を頑張らせるために 「勉強を続けたら○○を買ってあげる」とか「テストで良い点を取ったら○○してあげる」といったフレーズ、使っていませんか?
何を隠そう、我が家ではそのような言葉は毎日飛び交っています(笑)。
ただ、ご褒美をチラつかせないと子供を勉強させる事が出来ない私は親として失格ではないかと考えたりします。
つまり「目の前の利益しか追わなくなる大人になるのではないか」という不安がありました。
そこで、子供をご褒美で釣って果たして良いのか?効果があるのか?を(自分を納得させるために…)調べてみました!
ご褒美で釣るのは社会でも至るところに存在する
調べる前にふと、考えてみました。
私の周りでも、ご褒美で人の頑張りを釣るような仕組みがないかと…結構あるもんですね(笑)。
例えば、ボーナスやインセンティブ制度。
成績が良ければ、頂ける仕組みになっています。
子供に対してご褒美を釣る仕組みと何ら変わりがありません。
そもそも、目標を達成するまでの道のりは果てしなく遠く その途中で挫折したり、諦めたりする事は往々にありますが 横道をそれないように、途中途中にチェックポイントを用意して目標に対してまっすぐ進めさせるのがボーナスやインセンティブ制度なのかもしれません。
そう考えると「ご褒美で釣る = 悪もしくは本当は避けるべき事」ではないような気がしますよね。
目の前にある利益を優先させるのは人間の本能
インターネットで情報が溢れている今日ですが、残念ながらその全ての情報が正しいとは限りません。
子供に(私の場合は娘に)正しい知識で接したいと思い、Amazon教育学カテゴリでベストスラー1位を獲得している実績から【学力の経済学】という書籍を購入したところ 「実は目先の利益を追うのは人間の習性」と記載が。
興味深い事に、人間は「今」と「将来」を比べると、今目の前にある利益や満足のほうを優先しがちな「選好」を持っていて、これを経済学の用語では「時間的割引率が高い」と 呼ばれるそうです。
むむむ…経済学でも実証がされているのですね。
人間はどうも目先の利益が大きくみえてしまう性質があり、それゆえに、遠い未来のことなら冷静に考えて賢い選択ができても、将来のことだと、たとえ小さくともすぐに得られる満足を大切にしてしまうのです。
教育経済学者 中室牧子さん著作【「学力」の経済学より】
目先の事を優先してしまうのは、どうやら人間としての本能のようです。 また、ご褒美で釣る(ニンジン戦法)についても以下のような記載が。
「目先の利益や満足をつい優先してしまう」ということは、裏を返せば「目の前にご褒美をぶら下げられると、今、勉強することの利益や満足が高まり、それを優先する」ということでもあります。 実は、子供にすぐに得られるご褒美を与える「目の前にニンジン」作戦は、この性質を逆に利用し、子供を今勉強するように仕向け、勉強することを先送りさせないという戦略なのです。
教育経済学者 中室牧子さん著作【「学力」の経済学より】
これは思いもつきませんでした…。
ご褒美をチラつかせて勉強に取り組んでもらおうと思っていた「ニンジン戦法」は、実は人間の習性を生かした戦略とも言えるんですね!